コミックシーモアに掲載されている『没落令嬢、貧乏騎士のメイドになります』(原作:千世トケイ/漫画:江本マシメサ)についてレビューしていきます。
まず簡単なあらすじを。
【令嬢のアニエスと領主の息子で騎士のベルナールは初めての社交界で出会います。ベルナールが挨拶しようとすると、まるで蔑んだような目を向けられました。それを根に持っていたベルナールは没落したアニエスをメイドとして雇う事に】
導入部分はこんな感じです。
このお話には1巻に7話収録されています。
2話 オルレリアン家にようこそ!
3話 嵐の夜に
4話 金貨10枚
5話 騎士として
6話 彼女が近眼になったわけ
7話 戦闘準備
7話収録で長い様にも見えますが読んだら面白くてあっという間です。
では1話ずつ、簡単にあらすじと感想を述べていきたいと思います。
では少々お付き合いください。
1話 屈辱的な出会い
騎士として社交界に参加していたベルナールは、社交界デビューを果たしたアニエスに挨拶へ行くが、それまでニコニコしていたアニエスが目を細めて顔をしかめた。
──どうして初対面の相手にあのような目で見られなければならない!?──
蔑まれたと思ったベルナールはアニエスに対し嫌悪感を抱きます。
その後何度か会ったがその度にそのような表情を見せるアニエス。
最悪の初対面から数年後、アニエスは父の不祥事から爵位を剥奪され、家も没落してしまいました。
ある日ベルナールが仕事を終えて帰宅しようとすると自分との面会を求め、門で揉めている人物が。アニエスでした。
質素で少し汚れた服に身を包むアニエス。またも目を細めしかめっ面でベルナールを見つめました。
──没落してもなお俺の事をコケにしに来たのか⁉──
ベルナールはアニエスの話を聞くとささやかな仕返しのつもりでこう提案します。
「使用人として雇ってやる」
生粋のご令嬢が下働きなんて受け入れられないだろうと見越したちょっとした意地悪のつもり。
ですがアニエスは嬉しそうに泣きながら答えます。
「ありがとうございます!このご恩は一生懸命働いて必ずお返しします!」
あれ、こんなはずではなかった。
そう思うも言ってしまった事を今更取り消す事も出来ず、ベルナールとアニエスは屋敷へと向かうのでした。
はいここで1話終了です。
アニエス、ニコニコ顔はもちろん、目を細めたしかめっ面も凄く可愛い!ただこのしかめっ面、恐らくほとんどの人がやった事があると思います!この表情もしや……と思いますよ。
ベルナールも嫌悪は抱いているけど突き放せる程意地悪な人じゃなく、見ていてほっこりです。
では2話目以降は簡単にあらすじと感想を書いていきます。
第2話 オルレリアン家にようこそ!
2話は屋敷に到着してから契約するまでの話です。
ベルナールの屋敷に着くと出迎えてくれた使用人達。バルザック家が家族で使用人として働いています。女っ気のないベルナールが女性を連れて来たとあって、使用人頭のジジルは喜びます。
このジジルさん、凄く明るくてベルナールは勿論、アニエスにも気にかけてくれてThe★マザーって感じの人です。
契約の為に隣に座ったアニエスに心臓バクバクしちゃうベルナール。女性慣れしていない。反応が可愛らしいです。
第3話 嵐の夜に
屋敷で雨漏り。しかもそれはアニエスの部屋でした。水浸しになる前に処置をしなければと、ベルナールが嵐の中屋根に上り処置を施します。
ベルナールを手伝う為にびしょ濡れになったアニエス。なのに後片付けをしようとします。
「部屋の後始末は男衆で行う。お前たちは着替えろ。あまり体を冷やすな」
アニエスやメイド達を下がらせます。旦那様の命令なので拒否はできませんね!
第4話 金貨10枚
昨夜嵐の中びしょ濡れになりながら手伝ったせいか熱をだして寝込んでしまったアニエス。
屋敷の修繕と医療代を見積もると
「金貨10枚⁉」
なんとお給料2ヵ月分!これは痛い‼
アニエスの様子を見に部屋を訪れると朦朧としたアニエスが涙ながらに
「オルレリアン様(ベルナール)に御恩を返していないのです」
と語りましたがベルナールには覚えはありません。
仕事に行くと第二王子の親衛隊の男・エルネストがやってきてアニエスを探して欲しいと言います。
「報奨金は金貨10枚だ」
「可哀想な彼女を囲い込んであげようと思ったのだよ」──このエルネスト、数年前のお茶会でアニエスに付きまとっていて、それをベルナールが助けた事があります。
「これは口止め料だよ」と袋に入ったお金を渡し去っていきました。
第5話 騎士として
この回でアニエスがなぜしかめっ面をしていたのか判明します。そして項垂れるベルナール。
──仕返しする為に使用人として雇うなんて!自分が情けない
それに勘違いしたアニエスが縋ります。
「お願いですどうかこのままわたくしをここに置いてください!ここにいたいのです!」
考えさせてくれと答えるベルナール。
仕事では隊長のラザールがアニエスを探す事を決める。それはアニエスを守る為。だがそれには身分を取り上げられる程のリスクが付きます。
「なぜリスクを冒してまで他人の為に?」とベルナールが聞くと
「騎士とはそういうものだろう」
──弱気を助け、礼儀を重んじ、悪を打ちのめす。これこそ騎士の教え──
はちゃめちゃにかっこいいです隊長!
屋敷に戻ったベルナールはアニエスに子猫お世話係を命じます。
「これからもここにいてもよろしいのでしょうか?」
「好きにしろ」
言葉はぶっきらぼうですが態度は少し照れて可愛いんですよ。もっと素直になって!
第6話 彼女が近眼になったわけ
ベルナールは隊長のラザールに自分が保護していると打ち明けます。
ラザールも力になると言ってくれました。
屋敷にて新しい契約の話の時、用紙を目に近づけて読んでいるアニエス。それを見たベルナールはどうして目が悪くなったのかと聞きます。
実は父や使用人に隠れて暗い部屋で本を読んでいたアニエス。一流の教育をと勉強漬けの日々を送っていたところ、知り合いから小説を勧められ、夢中になって読んでいたと。
話の流れでベルナールは初対面で自分が勘違いした事を打ち明けます。和解します。
「お前が目を細めた時バカにされたと思ったんだよ」
焦って否定するアニエス。
ここでようやく和解します。
第7話 戦闘準備
発端はベルナールの母から届いた手紙。
要約すると
『あなたの結婚相手を探すため来ます』
と言うもの。
結婚したくないと言うベルナールはジジルに助けを求めます。
「アニエスに婚約者役をお願いして、今後の縁談は必要ないとお伝えすればいいのです!」
もうこれしか手段はないとアニエスに頼みます。アニエスは快く受けてくれます。
当日、おめかししたアニエスは緊張でガチガチ。
婚約者役を精一杯演じようとベルナールを引き寄せ腕を組むアニエス。
お互い赤面するんですが、こういうのに慣れていないのが見て取れてほっこりです。
「奥様が到着いたしました!」
そして2巻に続きます。
感想
可愛いとかっこいいの繰り返しです。
アニエスとベルナールの、お互いこういうの慣れていません感がとても可愛らしいです。アニエスはベルナールを慕っていそうだけど、ベルナールはどうなのか。ただ女性慣れしていないだけか、それとも少しずつ何かが芽生えてきているのか。ふとした時に意識してドキッとしたり、照れたりするんですが、その反応もまた可愛らしく!
そしてたまに見せる騎士道精神のベルナール!かっこいいです!そして隊長のラザールもかっこいいです!騎士道に則ってどうすべきか、私利私欲、保身に走らないんです!かっこいいですよ!
さてさて、2巻はベルナールの母がやってきます。婚約者のフリをする二人がどうなるのか楽しみですね!
次2巻のあらすじ・感想をお楽しみに!
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